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質問51 人気薄の逃げ馬が勝つ時は、後ろの騎手から目標にされにくいので気持ち良く走り切ってしまうと思うのですが、他にはどのような原因が考えられますか?
答え やはり何と言っても一頭で気分良く走れることが大きいですね。ご存知の通り、馬は非常に繊細な生き物で、周りに他の馬がいると気を遣って息が入りにくくなります。前崩れになったレースの場合でも、差して来るのは道中でポツンと揉まれず走っている馬であることが多いことからも、それが分かると思います。

また、逃げ馬は切れ味があるからこそ逃げることができます。逃げ馬はその切れ味を先に使っていて、差し馬は切れ味を最後に使っているだけなのです。よって、逃げ馬に余力を残され、直線でもシッカリ伸びたら、後ろの馬がつかまえることは難しくなって来ます。

こんなシーンもよく目にします。4コーナー手前で逃げている馬が手綱を持ったままの手応えなのに、後続が必死に追っているというシーンです。もちろん先に追い出した方が早く苦しくなりますが、それなのに前にいる逃げ馬が後から追い出すのですから、有利であるのは当然ですね。

以上が一部ではありますが、人気薄の逃げ馬が逃げ切る時の原因です。レースを作っているのは逃げ馬を含めた先行馬であり、それを深く知ることで“展開の読み”の精度が飛躍的に上がることを最後に付け加えておきます。

質問52 レース展開の読み方について教えてください。
答え この一問一答のコーナーには、このような質問が多数寄せられています。少し質問の趣旨から外れてしまうのですが、それらを読んでいて思ったことがあるので記していこうと思います。

みなさん自分なりの展開の読み方を書いているのですが、「この馬が何秒のラップで行くから流れが速くて差し有利になる」とか、「この騎手に乗り替わったから今度は積極的に行くだろう」とか、「馬自身の気持ち」を除いた形で考えている方が多いのは気になります。実は「馬の気性」は展開読みだけでなく、競馬すべてにおいて重要なものなのです。例えば、いくらオープン級の素質があっても、もし「走る気がまったくない馬」だったら未勝利を勝つこともできないでしょう。そんな不真面目な性格は「目つき」に表れるため、馬主が競走馬を購入する際に一番初めにチェックするのは実は「目」なのです。

もちろん競走馬は傲慢な人間にすべて従うわけではないので、レースに行って途中で意欲が出ればガツンと前に行ってしまいます。騎手が抑えようとしてもです。これが、いわゆる「折り合いを欠く」という状態ですね。もしスローの流れと読んだとしても、2番手に騎手に逆らうタイプの馬がいたとしたら、掛かって行ってハイペースになってしまうこともあるでしょう。とにかく馬の気持ちを読むクセを身に付けて下さい。展開を読み当てる精度が格段に上がりますし、競馬事自体が分かり、馬券の的中率も大きく進歩していくものと思います。

質問53 長距離に向く馬、短距離に向く馬の見極め方があったら教えてください。
答え

これには肉体的な問題と精神的な問題の両方が関わってきます。肉体的な問題では、「胴の長さ」に注目してください。胴が長ければ必然的に飛びが大きくなり、同じ距離を走るにも全体の歩数が少なくて済みます。これでスタミナのロスは少なくなりますね。逆に、胴が短い馬はいわゆるピッチ走法になり、全体の歩数が増えてしまうのです。また、ピッチ走法の方がスピードに乗りやすいので、そんな意味でも胴が短い方が短距離向きと言えますね。

次に精神的な問題ですが、こちらの方が距離適性を分ける際に占める割合は高いと思います。当然のことですが、一生懸命に走る馬は短距離向き。のんびりと走る馬は長距離向きです。これを見分けるには、とにかくレースを見てそれぞれの馬の走りを覚えることです。また、実際のレースを見なくとも、調教で速い時計が出る馬は短距離向きであることがほとんどですね。

血統的な問題を気にする方も多いでしょう。もちろん重要度が低いわけではありませんが、キャリアが浅く、適性が判然としていない場合に「適性を予測する」といった意味合いで考える程度でいいと思います。「自分の目を信じる」ことができれば、それがベストですから。

質問54

先日、60キロを背負ったナリタトップロードが京都記念を制しました。斤量が気にかかって軽視してしまったことを恥じています。斤量に関してはいろいろと勉強したのですが、今イチ馬券に活かし切れません。重要なポイントがあったら教えてください。

答え 非常に怖いことなのですが、ひとつの事に執着すると全体が見えなくなってしまいます。競馬の予想は様々なファクターのバランスをどう考えるかに集約されると言って過言ではありません。私も京都記念のナリタトップロードは60キロを嫌って印を▲に落としてしまいました。ほとんどすべてのファクターがプラス方向を向いているのに、60キロだという唯ひとつのファクターだけでトップロードを軽んじるのは間違いだったわけです。私も含め、十分に注意したいものです。

さて、斤量を考える際の重要なポイントですが、雑然と幾つか並べてみたいと思います。まず、下級条件になればなるほど、斤量の差が結果に反映されやすい傾向にあります。減量騎手を起用した馬が穴を出すことが多いのは皆さんも感じるのではないでしょうか。また、馬格のない馬の方が斤量の影響を受け易いと言われますが、これは間違っているとも言えませんが正しい説だとも言えません。420キロ程度の馬格でも57キロを背負って走る馬はいます。他では短距離戦の方が軽い斤量で受ける恩恵が多いですね。

スペースの問題で簡単にしか書けませんが、予想する際には以上のことを考えてみてください。最後にひとつ、「斤量が重い馬が走らなくなるのではなく、斤量の軽い馬がいつも以上に走る」、この考えをベースに置いておくことをおすすめします。
質問55 クラス編成のことがあまりよく解りません。どのようなクラスがあるのでしょうか?
答え 中央競馬は分類が大きく、クラスが少なくなっています。下級条件から、新馬(未出走)、未勝利、500万下、1000万下、1600万下、オープンとわずかこれだけ。南関東公営がA1からC3まで分かれ、その中で更に1組、2組、3組…、と細分化されていることを考えると、非常に対照的ですね。2歳の初めは勝ち星を挙げるとすぐオープン馬になり、途中のクラスがありません。2歳の秋から500万下ができ、3歳の夏口から1000万下ができ、3歳夏に4歳以上の古馬と一緒に戦うようになって1600万下に出られるようになります。また、4歳の夏になるとクラスの再編成が行われます。例えば1200万の本賞金を持っている馬がいたとしますが、これまでは1600万下のクラスだったものが1000万下のクラスに入ります。競馬新聞のレース条件の欄を見ていただくと解りますが、1000万下の条件は「3歳1000万、4歳以上2000万下」となっており、今まで名前の通り本賞金1000万以内の馬が1000万下だったものが、4歳の夏になると1000万を超えて2000万までの馬が1000万下のレースに出られることになるわけです。今現在は年が明けているので、条件は「4歳1000万、5歳以上2000万下」となっています。文章を読んでも理解するのは難しいと思います。本賞金とクラスに注意しながら競馬を見ていけば、解るようになっていくでしょう。ダービースタリオンをプレーするとスムーズに理解が進むと思いますが。


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