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質問65 競馬専門紙の会社を作るにはどうしたらよいのでしょうか?
答え なかなか面白い質問をいただきました。専門紙の立ち上げ方について、さすがに詳しいことは分かりませんが、難しいことだけは確かでしょう。新聞作成の人員確保、印刷機の導入、コンピューターシステムの構築、現実に新聞を形にするだけでも億の金はかかります。ドデカイ印刷機など置くための場所を確保するだけでも大変ですし、外注に任せるにしても費用は膨大になると思います。また、初めは何らかの宣伝活動が必要になりますが、広告代理店との付き合いがないと広告料もすべて前金になってしまいます。ものすごくお金が潤沢な方なら問題ないですが、やはり銀行からの融資は必要でしょう。ただ、銀行も一般の人にはお金を貸してくれません。

それに加えて、配送の整備、取次との契約、競馬新聞協会への加入など、相当な人脈がないと不可能なことが多くあります。長く競馬の世界で生きてきて、顔が広く、また信頼のある人間でないと難しいのが現実です。

私も若い頃は自分で競馬新聞を発行したいと夢を描いていましたが、現実に専門紙に在籍してみて、とても無理だと思いました。ただ、もちろん今ある専門紙も何もないところから作られたものです。最近はインターネットなど紙媒体以外の発達が進んでいますし、違う形の競馬新聞を作り上げていくのも可能なのかも知れません。適切なアドバイスはできませんでしたが、何か参考になればと思います。

質問66 美浦や栗東のトレセンに入って調教タイムを図ったりするにはどうしたらよいのですか? うわさでは、トラックマンの人たちなどの紹介状があればいいということなんですけど…。
答え 一言で表せば、美浦、栗東の両トレーニングセンターは閉ざされた要塞のようなものです。立ち入ることができぬよう周囲は頑強に固められ、出入口にはよく駐車場で見られる車を塞ぐバーのお化けのようなものが威圧感十分に待ち構えています。

入る許可をもらうといっても容易なことではありません。ご存知のように一般ファン等の部外者は完全に立ち入り禁止。ご質問にトラックマンの紹介状があればいいのではとありましたが、それも実際は不可能です。

トレセンに入るには「取材のため」という名目が必要です。競馬専門紙やスポーツ新聞社でも「取材票」という入国手形は各会社に限られた数しか交付されません。それ以外の人となると、雑誌やテレビの取材でという形になりますが、それも、いつ掲載されるのか、いつ放映されるのかという細かいところまで申告しないとならないのです。何の夢もない回答になってしまいますが、トレセンに入るのは無理だと思っていた方が良いでしょう。強力なコネでもあれば可能なのかも知れませんが…。

質問67 最近は久々の馬を放牧先で仕上げてから入厩させるケースが多く、トレセンでの調教回数や時計にあまり意味がありません。このような馬に対する馬券作戦のコツを教えてください。
答え この手の質問が他にも多く寄せられています。最近は1年ぶりや2年ぶりで好走する馬をよく見かけますが、ほんの数年までは考えられないことでした。1年休んでいて勝ったりしたら新聞の記事になって大騒ぎされたものです。プールや坂路の導入による調教技術の急激な進歩、そして外厩の整備、この2つが大きな要因でしょう。ご質問にあったように予想する方にとっては悩まされる状況であるわけですが、その進歩自体は喜ぶべきことなのではと思います。

レース前日までの段階では、新聞に書かれている調教師のコメントを信じるしかありません。そして、当日に馬体重をチェックし、パドックで気配を確かめ、そこで結論を下す。結局は以前と同じで、このごく当たり前の作業をするしかないのです。そこに、攻め不足だから切り捨てることをしない少し寛容な気持ちを付け加えれば良いのではないでしょうか。

いくら放牧先で乗り込んでいるといっても、トレセン入厩後にビッシリ攻められている方が良い結果が出ることは間違いありません。それだけは忘れず、コメントや調教のチェックに励んでください。

質問68 POG(ペーパーオーナーゲーム)をしているのですが、なかなかデビューしない馬が多いです。デビューできない理由は何ですか?
答え 以前にもこの一問一答のコーナーで書いたのですが、POGはファンが競馬の現実を間違って捉える好ましくない遊びだと思っています。デビューしないことを不思議に感じている方が多いようですが、実際は競馬に出走できるまでに仕上げるのが本当に大変で、順調にレースを使っていける馬など稀にしかいません。体重が500キロもあるのに、あのか細い脚です。少し弱いところがあると軽く走らせただけで脚が腫れてしまいますし、1515程度の調教もできずにデビューというスタート地点まで到達せずに終わってしまう馬が多いのです。レースでの脚元に掛かる負担はその比ではありません。アグネスタキオンやクロフネなど、歴史に残る名馬が次々と引退していくのも、ある意味、当然なのです。

生産者の立場から見ても、苦労に関して同じことが言えます。一頭の仔馬が競走馬になる陰には、生産者たちの並々ならぬ努力があります。繁殖牝馬を育て、種牡馬を選んで種付けをするわけですが、生まれてみて脚が曲がっていたら大変なお金を投資して生まれたその仔馬は価値がゼロになってしまいます。牧場にいる時に脚をぶつけたら、もう競走馬になれないかも知れません。また、まったく競走能力とは別のところで、お腹などに傷を負っただけでもセリでの売値は大きく下がってしまいます。

生産者や調教師、そして馬主もそうですが、現実に競馬に携わっている人たちは自分たちの生活を賭けて戦っています。それだけは分かっていただけたらと思います。

質問69 降級馬に関して、素直に狙っていいのか、それとも危険なのか、その見極め方を教えてください。
答え 降級馬は1レースに必ず1頭だけいるというわけではありません。もちろん、いない時もありますが、大抵の場合は数頭いますね。人気になるケースがほとんどですし、その降級馬たちを中心にレースが動くことになります。そう考えると、クラスが上の馬が落ちてきたというより、他の馬が上のクラスに挑戦すると捉えるのが自然なのかも知れませんね。

その降級馬たちの取捨ですが、これは様々なファクターを検証しつつ予想して結論を出すという普通の作業を行うしかありません。例えばクラス改編が行われた初日、福島9Rでドリームシンデレラはかなり強引な逃げで2着に粘りました。同馬は福島1200を得意とする芝のスプリンターですが、前のレースは1000万クラスの府中ダート1600という条件でした。しかも久々だったわけで、今回は叩き2戦目、降級、府中ダート1600→福島1200と好材料がこれでもかと揃っていたことになります。前走は明らかな叩き台で、ここが勝負だったことが分かりますね。中間のビシビシと追われた稽古からもそれがうかがえます。

一方で10Rでは同じく久々を叩いて降級だった断然人気のパシオンノーブルが3着に敗れて波乱となりました。敗因は叩き2戦目でも中間に弱点である足元の不安が出て少し楽をさせていたこと。そして、連対した既存の500万下の勢力が予想以上に力をつけていたことの2つでしょう。

結局は能力比較、状態把握、展開の読みと普通のことをするしかなく、変にひねって考えない方が良いかと思います。あまり降級馬だからと意識を集中させず、レース全体を冷静に見ることをおすすめします。



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