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質問21 安田記念の率直な感想を聞かせてください。
答え 12万馬券と記録的配当になった安田記念に関し、たくさんのご質問をいただきました。その多くが、「なぜ有力馬があんなに見事に崩れたのですがk?」というものでした。簡単にではありますが、各有力馬の敗因を述べたいと思います。まず、フェアリーキングプローン(9着)は前半で掛かったのが痛かったし、覇気もないように感じられました。トロットスター(14着)も高松宮記念に続いて馬体が減り、当日は走れる状態にありませんでした。ジョウテンブレーヴ(13着)は全体にリズムの悪い追走で、気性面の難しさが出てしまったものでしょう。15着に敗れたスティンガーは何の見所もありませんでしたが、これも気性難があるので時に思わぬ凡走があるのは止むを得ないともいえます。しかし、安田記念が荒れた本当の理由は有力馬が凡走したからではありません。1着ブラックホーク、2着ブレイクタイムは強かったからこそ上位に来たのであり、馬連10万円台の配当になったのは、私を含めたファンサイドの多くがそれを読めなかったからです。そのあたりを正しく認識しないと、安田記念出走各馬の正確な能力判断が崩れるので十分に注意したいですね。
質問22 平坦で小回りのローカル競馬場は先行馬が有利と言われますが、見ていてそうとはいえない感じがします。他にも脚質の有利不利に影響するものがあるのでしょうか?
答え 例えばついこの間まで行われていた中京競馬場では、1開催8日間で芝のレースが56鞍あり、逃げ切った馬はわずかに4頭でした。これは荒れた芝で揉まれ込む形になるとつらいため、いいポジションを取ろうと出走各馬がスタート直後から前へ殺到した結果です。正しく認識されていないことが多いようですが、競走馬が全力疾走できる距離はせいぜい400メートルです。たとえ平坦で直線が短くても、前半で必要以上の全力の走りをしてしまったら、後半で脚が上がるのは当然なのです。もちろん単騎で気持ちよく先行できたら、直線が短く、また平坦の方が有利ではありますが、「展開」によってそれが簡単に崩れることを認識しておきたいですね。ところで今年から新潟競馬場で日本初の直線1000メートルのレースが行われます。高額条件のレースも組まれており、今からどんな競馬になるのか楽しみですね。
質問23 グラスワンダーは種牡馬として成功すると思いますか?
答え 一流の競走成績を残した馬が種馬として成功するかは非常に難しい問題です。まずグラスワンダー自身の成績は、有馬記念連覇や宝塚記念勝ちがあって文句ありません。血統面を見ると、父は短距離馬で名を残すシルヴァーホークですが、その父は底力のあるロベルトです。また、母の父がダンチヒ、2代母の父がヒズマジェスティ、3代母の父がレイズアネイティブとスタミナのある血とスピードのある血がバランスよく配合されているように映ります。しかし、競走馬としての能力を左右するのは何と言っても母親の血です。少し雑な言い方になってしまいますが、母親に良い仔を出す能力が備わっていれば父親に何を持ってきてもある程度は走ります。しかし、母系がしっかりしていなかったら、どんな優秀な父親を配合しても良い仔が産まれることはないでしょう。グラスワンダーは早来の社台スタリオンステーションで種牡馬生活を送っています。質の良い肌馬が選ばれており、種牡馬としてかなりの成功を収める確率が高いと思います。
質問24 パドックで良く見せる馬でも、走る場合と走らない場合がありますが、どのようにして見分けるのですか?
答え まず頭に置いておきたいのが、パドックは競馬の結果を左右する無数にあるファクターの中のひとつに過ぎないということです。いくら具合が良くても、レースの距離が合わなかったり、流れがむかなかったりしたら、いい結果を出すことはできません。もし、パドックで良く見えた馬が1着になったとしても、それは具合が良かったことだけが理由ではないはずです。それを踏まえた上でのパドックの見方ですが、まず大事にしたいのが馬の醸し出している全体の雰囲気です。トモの送りとか、踏み込みの強さとか、球節の返しとか、細かいことを言い出したら、見るポイントが多すぎます。ここではスペース的に詳細を書けませんので、まずボーッと周回する馬たちを見ることを試したらどうでしょう。だんだんと、どんな雰囲気の馬が走る確率が高いかが分かっていくようになってくると思います。また、パドックは横の比較より縦の比較が、より大切です。あるレースを見て、今回はどうなるのかと見極めることに大きな意味があるのです。「パドックで気合が乗っているときに走る傾向がある」「落ち着きがあるときにいい走りを見せる」と見えてくれば、馬券的に直結させることができるでしょう。
質問25 反動とは、どういう状態でなぜ起こるのでしょうか?函館スプリントSはディヴァインライトの馬体重を見てがっくりしました。事前に予測することはできないのでしょうか?
答え 人間でもしばらく運動をせずに急にゴルフに行ったりしたら、次の日は筋肉痛が出たり疲れが取れなかったり大変です。競走馬の場合の「反動」も簡単に言えばそれと同じことですね。攻めで入念に乗られたとしても、実戦の激しさはその比ではありません。久々で予想以上に好走した時など、よく攻めを軽くするケースが見られますが、これは危険信号と考えるべきです。特に中1週で出走してきたときは、人気を裏切ってしまう確率がかなり高くなります。反動のあるなしを事前に予測するには、以上の事と調教師のコメントに注意するのが良いでしょう。また、14キロ増だった復帰戦を叩いて更に10キロ体が増えていた函館Sのディヴァンライトですが、意欲的に攻めを積んでいましたし、ジョッキーのコメントも「体つきが良くなっていた」というものでした。馬体重が増えていたのは、滞在競馬が原因でしょう。休み明け2戦目の反動とは違うケースではないかと思います。
 

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